
大好きだったグアテマラでは最後の最後で嫌な思い出ができてしまいましたが、なんとかベリーズシティに辿り着くことができました。
そのままカリブ海に浮かぶキー・カーカーという島に移動します。
フローレスから乗ってきたバスは、バスターミナルではなく、こちらの乗船場(キーカーカー、サン・ペドロ行き)まで送ってくれました。
ベリーズシティのバスターミナルはここから徒歩15分ほどの場所にあるのですが、この乗船場の中にある旅行会社(兼雑貨屋)で各地へ向かうバスの予約をすることができます。バスターミナルはまあまあボロいので、バスの時間までここでのんびりしていくといいかもしれません。
キー・カーカーから戻ってくる日の夜行バスでカンクンへ行きたかったので、先に予約をしておこうと考えていました。
色々聞いて回っていたところ、とある旅行会社兼雑貨屋で働くファルナさんという方と仲良くなりました。最初は「カンクン行きのバスはありますか?」という話から始まったのですが、どんどん会話が弾んでいき、気がついたら彼の店の中で一緒にコーラを飲むまでの仲に。
彼の店というか、この一帯にある旅行会社では、メキシコのチェトゥマルやグアテマラのフローレス行きのバスを手配することができるのですが、カンクン行きのバスは取り扱っていませんでした。バスターミナルで直接カンクン行きのチケットを購入する必要があるとのこと。バスターミナルまで歩いて行くのは面倒くさいなと思っていたところ、ファルナさんがある提案をしてくれたのです。
ファルナさんにはバスターミナルで働く従兄弟がいるらしく、その彼にチケットを頼んでくれると言ってくれたのです。出会ってすぐの人から親切にされる時って、だいたい何か裏があったりすると思うのです。でもベリーズシティからカンクンまでの正規の料金だけ支払えばいいと言うし……。
昨日の出来事で少し人間不信になりかけていたこともあり、絶対に何かあるんじゃないかなと疑ってしまいます。そして僕は失礼とわかりながら、こんな質問をしてしまったのです。
「何でそんなに親切にしてくれるの?」
するとファルナさんは、こう言いました。
「この国は金の亡者たちがたくさんいて、これまで多くの観光客が被害にあっているのを目の当たりにしてきて、いたたまれない気持ちでいっぱいなんだ」
あまりにも正論過ぎて、さらに怪しく思えてしまいました。だいたい綺麗事ばかり言うやつって、詐欺師だったりしますからね。
そんな感じでずっとファルナさんのことを疑っていたのですが、彼の国籍を聞いた瞬間に考えが一変しました。信用してみようかなと思うようになったのです。
実はファルナさん、ベリーズ人ではありませんでした。なんとバングラデシュ人だったのです。別にベリーズ人をディスっているのではありませんよ。ただ、僕にとってバングラデシュ人というのは特別な存在なのです。
バングラデシュはインドのすぐ隣にある国。「観光客に話しかけてくるインド人=全員詐欺師」と言われているだけに、ファルナさんの優しさは怪しい事この上ないです。ですが、かつてロンドンで働いていたときの同僚に多くのバングラデシュ人がいまして、彼らがいかに親切で、情に厚く、親日であるかを僕は肌で感じていました。だからこそ、バングラデシュと聞いた瞬間に彼のことを信用しても大丈夫だと思ったのです。
さらに、支払いは当日でいいとまで言うので、もはや断る理由がありませんでした。唯一心配なこととしては、バスを予約してくれなかったらどうしよう……ということくらいでしょうか。カンクンからキューバ行きの飛行機を予約してるだけに、乗れなかったら一大事。ですが、後にも引けなくなってしまったので、バングラデシュ人であるファルナさんを信用して、バスを予約してもらうことにしました。
ウォータータクシーでキーカーカーへ
ファルナさんとの約束を済ませた僕は、キー・カーカーへと出発しました。
ベリーズシティ〜キーカーカー間は船で往復25USドル(約2600円)。歩き方に載っていた値段の倍くらいしましたが、この国ももれなく物価が上昇しているんだろうなと。アルゼンチンやブラジルでも同じ現象を経験していたので、簡単に受け入れることができました。
チケットはオープンになっているので、帰りは好きなタイミングで帰ってくることができます。
オシャレだと思われたくてセピアにしたわけでは決してありません。ウォータータクシーの窓に特殊な細工が施されていたため、写真を撮ると全てセピアにされてしまうのです。
本当のカリブ海はめちゃくちゃ綺麗なエメラルドグリーンでした。
キーカーカーのすぐ近くにゴルフ場のある島がありました。というか、島全体がゴルフ場でした。ベリーズオープンゴルフとかあるのか知りませんが、あるならここでやってるんじゃないかなっていうくらいゴルフに特化した島です。
ベリーズシティを出発して約45分でキーカーカーに到着。久しぶりに南の島にやって来ました。
アジアの島にはたくさん行ったことがありますが、南の島ってどこも似ていますよね。でもここはジャック・スパロウがやって来るかもしれないというカリブ海に浮かぶ夢のある島なのです。
そんなに海が好きなわけではありませんが、ここに3泊します。5日後にはカンクンからキューバ行きの飛行機を予約しているのでぎりぎりまでこの島を満喫したいと思います。
そろそろ旅も終わりに近づいてきていますが、ここで旅の疲れをしっかり癒やして、メキシコやキューバに臨みたいと思います。
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