
ベオグラードから夜行列車でやってきたブルガリアの首都ソフィア。再び夜行列車でルーマニアのブカレストへ向かうので、それまで一日中ソフィアを散策してきました。
夜行列車で国境を越えるということもあり、夜中に何度も起こされるという貴重な経験をすることができました。
どこかの国では車掌さんがパスポートとチケットを集めて、朝返してくれるという最高のおもてなしを受けたこともありましたが、ベオグラード〜ソフィア間はしつこいくらい起こしてくるので気をつけてください。
朝7時半頃にソフィア中央駅に到着。ホームに降り立つと同時に親切なおっさんが僕のもとへやってきて、荷物を預ける場所まで案内してくれました。何度でも言いますが、海外で誰かに親切にしてもらえるときほど嬉しいことはありません。全ての人間が親切だったら戦争なんて起こらないのになとしみじみ思います。別に世界平和を願っているわけではありませんが、親切にしてもらえると気持ちがいいものだなと。その後、おっさんがお金を要求してきたことすら親切からだと思えてしまうほど、僕の心は優しさに包まれていました。2秒後には現実に引き戻されてましたけど。
アジアの貧しい国ではこんなこと日常茶飯事なのですが、この時が案内料請求初体験だった僕にはこの現実を受け入れることができず、おっさんから逃げるために必死に歩き回りました。
しかし、親切な道案内人として50年近くは働いているであろうおじさんを日本の温室でぬくぬくと育ってきた僕なんかが撒けるはずもなく。逃げることを諦めた僕は泣く泣くお金を支払うことに。とはいえ、僕も貧乏バックパッカーの身分。紙幣など死んでもあげられません。持ち合わせていた小銭、50ストティンキ(約30円)をおっさんにあげてみました。そしたらおっさん、ものすごく激怒し大声で騒ぎだしたのです。周りで見ていたブルガリア人たちに向かって演説を始めたおっさん。もちろん何を言っているのかはわかりませんでしたが「日本人」という単語と、かなり悪口を言っていることだけは十分に伝わってきました。
こうして罵倒されることと引き換えにおっさんから解放された僕は、ルーマニア行きの夜行列車の予約を済ませて、街へと繰りだしていきました。
ソフィアの街はこれまで見たどのヨーロッパの国よりも古く汚かったです。たぶん東の方へ行くにつれて汚くなっていくんだと思います。
建物だけではありません。昨日セルビアで見たトラムよりもさらに20年くらい古い型のものが今でも現役で走っています。
広く整備された場所に細々と流れる川。これだけ幅が設けられているということは雨季にはものすごい量の雨がふるのかもしれません。
綺麗に並ぶタクシー。よく見るとどれも車種が異なっていて面白いです。
建築家シナンによってデザインされたバーニャ・バシ・ジャーミヤ。イスラム教のモスクです。
どことなく東ヨーロッパを感じさせる、ダークな街並み。
ブルガリア正教会の聖ゲオルグ教会。手前にはローマ時代の浴場の遺跡があるのですが、結構雑に保管されているというか、放置されているようで驚きました。
アレクサンドル・ネフスキー大聖堂。ブルガリアは角ばったものよりも、丸みを帯びたタイプの教会が主流です。
ブルガリア正教会の大聖堂は近くで見ると迫力満点です。
[ad#co-1]
、「落書きが多い=治安が悪い」なんてイメージはますが、ソフィアは強盗事件が多発するような危険な場所はありません。ほとんどがカネ目当ての窃盗だったり騙しだったりで、金目のものは隠す、流しのタクシーには乗らない、レートが良すぎる両替所には注意が必要など心がけておけば問題なさそうです。タクシーに乗る場合は、ホテルなどで呼んでもらうと良いでしょう。大抵のところはトラムを使えば行けるようです。
僕も1日ソフィアを歩き回りましたが、朝のおっさん事件以外は平和そのものでした。
ソフィア大学。上智大学もソフィアと呼ばれていますが、”知”の意味を持つギリシャ語の”ソフィア”が元になっているみたいです。
ツァル・オスヴォボディテル通りに面した奇蹟者聖ニコライ聖堂は、ロシア正教会の聖堂。言われてみればロシアにありそうな可愛らしい建物です。
ユダヤ教のシナゴークもあります。他宗教が入り混じる街ではありますが、ブルガリアの85%以上もの人はブルガリア正教を信仰しているようです。
ブルガリアと言えばヨーグルトが有名なだけあって道端の売店で普通に売っていました。さすがにヨーグルトを食べている人は見かけませんでしたけど。日本人が寿司を毎日食べないように、ブルガリア人はいつでもどこでも食べているわけではないようです。
今でも日本には侍や忍者がいると思い込んでいる外国人の気持ちが初めてわかったような気がします。
汚い建物が並んでいても絵になってしまうところがヨーロッパと日本の違いだと思います。素敵な街ですね。
この国でもマクドナルドにいきました。このセットで8レフ(約500円)。物価は日本とそこまで変わらないみたいです。しかし、国民の所得はかなり低いようで、平均年収が3,899€(約53万円)という(参照:ヨーロッパ各国のお給料事情)……。年収で53万円ということは、月々44,166円。そう考えると、タイと同じくマクドナルドは気軽に食べに行けるような店ではないのかもしれません。
ヨーロッパの都市としては若干の汚さは否めませんが、素朴な雰囲気が漂う素敵な街です。
セルビアあたりから気になっていましたが街の中を普通に野良犬が歩いているんですよね。これもアジアの途上国では当たり前の光景なんですけど、このときは人生で初めて野良犬を見たので驚きました。
それにしても、あんなに厳つそうな犬が野放しの状態で歩き回っているとか恐ろしすぎます。戦ったらきっと負けるでしょう。治安の心配だけでなく野良犬の心配も必要かもしれません。
夜行列車でルーマニアの首都ブカレストへ向かいます。朝購入したチケットを改めて見てみると、支払った27レフ(約1800円)よりも10レフ(約650円)安い17レフと書かれてありました……。
36日目:ブカレスト治安の良し悪し以前に駅には罠が…!ソフィアから移動!
34日目:ベオグラード観光!治安はそんなに悪くなさそうな印象を受けました。
たまねぎ剣士さん、色々とおもしろい旅の記事を見ては愉しんでおります。
ブルガリア、行きたいなあとは思いましたがやめた方がよさそうですね。
今度の旅行でと考えておりました。行先変更かなとおもっております。
ポルトガルも候補に入っていますがここも記事を見る限りでは・・・。
コメントありがとうございます。
なんか恐ろしいイメージを植え付けてしまい申し訳ありませんでした。
日本もそうですが、どこの国にも親切な人もいれば嫌な人もいます。
気を付けてさえいれば大体嫌な思いをすることはありません!
これは身を持って経験して思ったことであります。
どこの国に行かれるにしても日本よりも安全な国はありません。
ぜひ気を付けて楽しんできてくださいませ!!